身軽な働き方を好むフリーランスにとって、会社設立には抵抗感がある。これまで通り自由な働き方の方が良いと判断するフリーもいる。会社を設立するかどうかは、それぞれの判断に任される。会社を設立する事にはメリットやデメリットが存在し、一概に会社の設立が良いかどうかは判断が難しい。フリーランスが会社を設立して得られる大きなメリットの一つは、有限責任の規定にある。大きな規模の仕事では、経済的なリスクが伴うケースが多い。個人の立場で仕事にあたるフリーは、仕事が原因で大きな負債を負う懸念がある。そのため、リスクが大きい仕事に対し躊躇してしまう。
一方で会社組織の場合であれば、出資分の損失で負債から解放される利点がある。所有と経営が分離され、問題が生じた際に経営者に対して問われる責任は限定される。そのためフリーランスが会社を設立すれば、これまではできなかった大きな規模の仕事にチャレンジできる利点がある。ただし責任が軽くなるとしても、仕事に対する心構えを軟化させるのは問題である。たとえ有限責任であっても、経営者が背負う負担は少なからずある。
例えば資金を金融機関などから借りるには、経営者が個人で責任を負う契約を交わす場合も多々ある。また一度顧客からの信用を失ってしまえば、再び取り戻すのは難しい。有限責任のメリットがある会社設立であっても、フリーとして働いてきたこれまでと同様、責任感を持って仕事に取り組む必要がある。